紙加工ダイゲン

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2011.11.19

「紙よもやま話」第3話

「紙よもやま話」第3話の語り部,志田です。今日は、「正倉院の紙」のお話してみたいと思います。紙の業界に身を置く者として,一度は行ってみたいのが毎年1回開催される「正倉院展」です。奈良へは修学旅行も含めて、5回ばかり行っていますが、この「正倉院展」にはまだ一度も行っていません。来年は是非行ってみたいものです。
本で読んだ見たことしかないのですが、「正倉院の紙」に、日本の紙の原点を垣間見るからです。正倉院には、宝物と共に多くの典籍、書巻、文書(約12000点以上)あるそうです。昔の紙がこのように保存されているのは、世界の驚異であり紙の耐久性や保存法に貴重な示唆を与えています。また現代はリサイクルの時代ですが、奈良時代から日本は「反故紙」と呼ばれる紙の再利用が頻繁におこなわれていたことが「正倉院の紙」の調査で明らかにされたそうです。リサイクルは当たり前のことだったのです。もちろん、紙は大変貴重なものでしたから、大切にされた時代でもあったのです。正倉院の紙から読み取れる重要な点として、雁皮を主原料とする「緋紙」と呼ばれる紙の出現があげられるそうです。またこの雁皮と呼ばれる植物繊維から日本独特の和紙がすでに奈良時代から生産されていたことが、「正倉院の紙」の分析から明らかにされたそうです。また越前産の和紙が使われている文書も正倉院に保管されているそうです。
 ところで、和紙を洋紙風に見せた「新奉書風」という紙があります。個人の便せん、原稿用紙、各種案内状などに使われています。「和紙」や「和紙風の紙」をどこでもいいから生活の中に取り入れてみると、潤いのある心地よい風情が染み込み、きっと心を癒されるでしょう。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%80%89%E9%99%A2#.E6.AD.A3.E5.80.89.E9.99.A2.E5.AE.9D.E7.89.A9
「正倉院と日本文化」 吉川弘文館 1998年(参照)

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